袍に施された蛮絵の刺繍により蛮絵装束と呼ばれますが、はるか古、平安時代には宮中の警護等を司る役所衛府(えふ)の役人の装束であったとか。この時代は雅楽の演奏家たちが衛府に属していて、いわば制服で舞楽を舞ったのが蛮絵装束の由来のようです。
【蛮絵装束を用いる舞楽】
唐楽(左方・袍が桧皮色)では五常楽/春庭花/喜春楽/桃李花/央宮楽などで用います。
高麗楽(右方・袍が縹色:はなだいろ=藍系)では敷手/長保楽/白浜/登天楽などで用います。
襲装束または蛮絵装束のどちらかを用いるものには、仁和楽/古鳥蘇/胡徳などがあります。